第2章 上弦の月②

10/10
前へ
/110ページ
次へ
「わらわは・・・信久殿に、嫁ぎます・・・」 雅雄は喜んで、微笑む。 「天満姫さま、あなたは・・・  正しい判断をなされた。  叔父上は、この事を知ったら、  お喜びになるでしょう」 雅雄は屋敷に戻る。 「さぁ、準備を始めよう」 天満姫は泣き出した。 「うっ・・・!!」 天満姫は自分の運命を呪った。 自分が今まで、 叔父である家康のおかげで、 誰にも指図されない生活をして来た。 だが……雅雄に恩義がある、 家康の援軍と言う事を、 盾されたことで屈辱が味わった。 しかも……今まで自分が見下してきた、 田舎の殿さまに、 嫁がなきゃいないと言うことも、 天満姫の中では死にたいぐらいだった。
/110ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加