第3章 三日月①

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信久は屋敷の近くにある、 森の中で一人剣術の稽古していた。 「はっ!!」 そこに、シンがやって来た。 「その剣捌きは、父親と似ているなぁ」 信久は剣術の稽古を止め、 シンに睨みながら言う。 「なにか、用ですか?」 シンは、ゆっくりな足取りで、 信久に近寄って来た。 「お前が何で、父親の友である、  オレを毛嫌いしているのは・・・  シュキから聞いたが・・・」 「そうですか。だったら、話が早いです。  直ちに、この地から去って下さい」 シンは信久を挑発するような口調で、 「嫌だと・・・言ったら?」と、言う。 信久はシンに挑んで行く。 「こう・・・します!!」 シンは信久の一撃を透かさず避け、 腰に装備している2本の刀を取り出した。 「力づくで・・・ってかぁ。  鬼である、オレに勝てると、  思っているのか?」 信久は一度シンから離れ、 構えなおした。 「やってみないと、  分からないでしょう?」 「そうかよぉ」 シンと信久は激しく戦い合う。 「おりゃぁぁぁぁ!!」 「ハァァァ~?」 本気の信久は鬼であるシンと、 互角に戦っていた。 シンは本当に信久は妖怪か、 半妖じゃないと思うぐらいだった。
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