第3章 三日月①

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「シン・・・」 その時、信久の家来が 慌てた様子で来た。 「殿!!お知らせです!!」 「どうした?」 家来は辛そうに、シン達に言う。 「先ほど・・・石岡軍の使者が、殿の屋敷が来て。  石岡軍を含んだ西軍が・・・ 東軍に敗れたそうです・・・」 シン達は混乱しながら驚く。 「何だと・・・!?三成殿は?」 「西軍は総崩れた時に、三成さまは戦場から、  逃走したそうですが・・・」 そこに、信久を見に来た龍姫が、 家来の報告を聞いてしまった。 「数日もしない内に・・・東軍の総大将である、 家康殿の命令を受けた、追捕隊に捕縛され、  六条河原で・・・斬首されたそうです・・・」 龍姫は目を開いて、ショックを受ける。 「父上様が・・・!」 信久たちは龍姫に気づく。 「龍姫・・・!」 龍姫は涙し、地面に膝を付ける。 「父上様・・・父上様・・・」 シンと信久は、龍姫にどんな言葉をかけていいか、 分からず、ただただうつむいた。 シュキが龍姫に近づいて、抱きしめて慰めた。 「うっ・・・」 シンは空を見上げる。 「これから・・・この世は、  どうなってしまうだ・・・?」
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