序章

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「さっき、誰かの声がしなかったか?」 「いいや。お主の空耳だろう?」 家臣の1人は首を傾げる。 「そうなのか?」 「お主も年をとったからんなぁ」 家臣は部屋に戻ってくると、 旅立った為久に気づく。 「殿~!!」 家臣たちは為久の亡骸に駆け寄り、 為久の亡骸に囲むように泣き続けた。 「殿~!!」 津軽 為久・・・享年、58歳。 時は・・・・まだ続く、戦国時代。 この頃は、明智 光は謀反を起こし、 主であった織田 久長を能寺で殺し・・・・ 豊田 秀吉に殺された。 古の歴史には、人間のほかに「妖怪」と言う、 限りなく人に近い姿をしている者や、 獣のような姿のなど、いろんな姿の妖怪が居た。 いろんな能力を持つ妖怪たちは、 天変地異や災厄を引き起こすと恐れられ、 畏怖し、ときとして「神」として崇められてきた。 妖怪と人間は、こうして長いあいだ共存し、 妖怪と人間が交じり合い・・・ 妖怪の血と能力を受け継いだ者たち、 「半妖」と言う者たちが現れた。 半妖が持つ能力は、いろんなモノがあった。 大岩を砕くほどの怪力を持つ者や、 手を当てるだけで傷を癒す者などが居た。
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