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信久は駆け寄って来た男に、顔を向けた。
「どうして?直鷹・・・・」
信久の家臣:直鷹は信久の前で
片肘をつけて言う。
「病に伏せた信建を見舞うために、
上洛していたお父上さまが・・・・3日前に、
京の津軽藩の屋敷で亡くなったと、
先程知らせが来ました」
信久は一瞬だけ驚いた顔するが、
すぐに冷静な顔する。
「そうかぁ・・・・父上が。母上には?」
直鷹は少しうつむき。
「さきほど・・・・お伝えしました。
酷く、嘆き悲しんでいました・・・・」
「そうか・・・・」
直鷹の顔を見ていた信久の目線を、
さっきまで見ていた景色へと戻した。
「それと・・・・お父上さまの遺言で、
“跡継ぎは、信久する”と・・・・」
「ってことは、兄上も?」
「はい・・・・父上さまが見舞いに着く前に、
亡くなったそうです」
「分かった・・・・下がれ」
直鷹は信久に一礼し、下がっていった。
「はっ!!」
少し経った後に、信久は背後に気配を気づき、
少し体を後ろに向けた。
「シュキ。もう、来たのか?」
信久の背後には、美しい姿したシュキが、
悲しげな顔して信久を見つめていた。
「信久・・・・」
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