第18章 思い出

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次の日曜日もその男の子は来た。 先週と同じようにまた塀の外からこちらを見ていた。 翠はあれれと首をかしげるとまたその男の子に近づいた。 すると、今日は男の子の方から話し掛けてきた。 「おまえ、日本人じゃないのか。」 翠は首をかしげる。 異国の言葉を発した彼はつづけた。 「どうしてなにもしゃべってくれないんだよ!」 彼が大声で叫んだ。 翠はびくっと肩を揺らす。 「What are you talking?(何をしゃべってるの?)」 翠がおずおずと聞き返す。 すると、男の子は昨日よりもひどく傷ついた顔をした。 「Are you OK?(大丈夫?)」 翠は慌てて声をかけるが、男の子は目から涙を流したかと思えばそのまま走り去ってしまった。
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