第18章 思い出

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それから、その男の子は何故か毎週来た。 話し掛けるといつも逃げて行ってしまうのに、なぜか懲りずに。 そして、ある日。 その日もその男の子は塀の外にいた。 しかし、今日は違った。 翠が近寄ると、その男の子が口を開いた。 「ワット イズ ユア ネーム?(名前は?)」 片言の英語で名前を聞かれた。 「Sui.I'm Sui. And you?(翠。僕は翠だよ。君は?)」 翠がゆっくり返すと男の子は嬉しそうに笑った。 通じたことを喜ぶように笑う彼の笑顔をみて翠も自然と笑顔になった。
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