第18章 思い出

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「また、ぜったい、あえる?」 翠は青海を不安げに見ながら伝えた。 「翠・・・。日本語・・・。」 青海は驚いた表情で翠を見る。 「べんきょう、した。 ねぇ、ぜったい?」 翠の不安そうな表情がより一層大きくなる。 青海は唇をぎゅっとかむと大きくうなずいた。 「絶対!絶対だ!約束!」 青海はずいっと小指を翠に向けた。 翠は訳が分からず首をかしげると、青海は翠の手を取って無理やり小指を絡ませた。 「これは、指切り。 約束したよってこと。 いつか、もう一度翠が僕の名前を呼んだら! その時、翠に伝えたいことがある!」 翠は青海の顔を見て大きく頷いた。 「まってる!ぼくも、まってる。 だから・・・だから・・・。 またね、おうみ!」 翠はそういうと振り返らずに走り出した。
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