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秋良に言われた通り、翠は青海を探して中庭の噴水の方に向かうと、そこには人だかりができていた。
きっと青海はあの中心にいると翠には変な自信があった。
「青海!」
翠は人だかりの中心に聞こえるように叫んだ。
すると、周りの人間たちはみんなこちらを見た。
青海の姿は見えない。
親衛隊の幹部と思われる男子生徒数人がこちらに歩いてきた。
「お前みたいな根暗が、青海様に何の用だ。」
「青海様に釣り合わないくせにお声をかけようなんて100年早いよ!」
「その顔作り変えてからまた出直したら?」
親衛隊達は翠に向かって罵詈雑言を浴びせる。
翠はその暴言の嵐にだんだん腹がったってきた。
「僕が根暗だから、会っちゃいけない?」
翠はキッと親衛隊を睨みつけた。
「そ・・・そうだ。」
親衛隊はそんな反抗的な態度をされると思っていなかったのか、一瞬ひるんだ。
「僕は声をかけられないほど釣り合わないと・・・。」
「そうだよ!」
「じゃあ、結局は君たちの判断基準は顔なわけだね。」
「だったら何?どうせ並以下の容姿の君じゃだめなんだよ!」
翠はその言葉でプツンとキレた。
次の瞬間、翠は眼鏡を投げ捨てて前髪を上げた。
「この顔なら、いいの?」
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