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ものすごーく遅れたバレンタインネタってことで。
「今年もこの季節が来たよぉー!」
生徒会室でいつものように仕事をしていると、弥生が思い出したかのようにいきなり立ち上がり、叫んだ。
「そう言えば、明日ですね。バレンタイン。」
不意打ちの行動に流石に驚いた顔をした秋良は隣の一つ年上の先輩をチラッと見ると、すぐに壁にかかっているカレンダーに目をやりあぁと理解したかのように言った。
「先輩達はチョコレートの数凄そうですねぇ。
特に、青海先輩。」
乃蒼はニヤリと不敵な笑みを浮かべて青海を見た。
その笑みに不快そうに青海は眉間にシワを寄せた。
「俺は、休むぞ。
明日は一日中部屋から出ない。」
青海は乃蒼にそう告げるとパソコンに向かってひたすら打ち込みをしている翠を背後から抱きしめた。
「翠、お前も明日は俺とずっと居るよな?」
青海は翠の頭の上に自分の頭をのせる。
翠は重いと一言口にしただけで、それ以外は何も言わなかった。
「あーあ、青海先輩。
明日はひとりでお留守番ですね!」
乃蒼がイタズラっぽく笑うと逃げるように自分の仕事に目を向けた。
その行動に青海は気に入らなかったらしく、
その日は始終機嫌が悪かった。
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