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「え。。。青海、甘いの嫌いなの?」
翠はガバッと起き上がり青海の顔をじっと見た。
青海はどうしたんだとでも言うような不思議そうな顔をしながら頷いた。
「そう。。。じゃあ。。。何でもない。」
翠はポケットに入れていたものを取り出しかけていたが、青海のその言葉を聞いてやめた。
しかし、青海にはその行動の一部始終がバレていた。
「翠、お前今何隠したんだ?」
青海の問に翠はブンブンと首を降った。
すると青海は翠を自分の膝の上に乗せ、翠の額と自らのそれとをコツンと当てた。
「そうか、翠は教えてくれないのか。
じゃあ今日は俺は1人でもらったチョコ食べよう。
甘いの嫌いだけど、好きな人から何ももらえないなら、しかたないよなぁ。」
青海はイジワルな笑みを浮べると、途端に翠の顔色がみるみる変わっていく。
翠はポケットの中から小さな箱を1つ取り出すと青海の前にスッと差し出した。
「青海、甘いの嫌いだと思わなかったから。
ゴメンね?しかもほかのと違って安物だし。」
翠はショボンとした顔で青海を見ると、青海は嬉しそうに翠の差し出した箱を受け取った。
「あのな、翠。俺は甘いのは嫌いだ。」
青海がキッパリと言ったその言葉に翠は泣き出しそうになった。
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