第1章

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 因みに俺は、今でこそ1億の金を手にしているものの、普段は時給1200円で深夜のコンビニのバイトをしているフリーターだ。年齢的にもフリーターをやっていると堂々と言えるボーダーラインの26歳。一応就職活動らしき事はやっているものの、成果はなかった。  だから、結婚したいから、と言われてフラれるのは最大の屈辱でもあった。  俺がどんなに深夜に働いても、フリーターと正社員とは違うんだ、そう言われているようだった。  宝くじを眺め、ネットで換金方法を調べる。  後は銀行に当たりの宝くじを持って行くだけか。  そう思った時だった。  なんとなく、別れた美和の顔がよぎった。  1億当たったって伝えたら、ヨリが戻るかな。  結婚って、1億あれば充分だと思うけど、どうなんだろう。
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