どこかな?

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どこかな?

ボクはクロイツ。 黒猫さ! でもボクは、本物の猫じゃないんだ。 今の見た目は、本物に見えるけどね。 ボクの実態はホログラム。 触れるホログラムなんだ。 あっちのセカイのボクがオリジナルなんだ。 そして、あっちのセカイのボクは、 こっちのセカイのボクよりも、大きいんだ! ボクは人の言葉も話せるんだよ。 大きさは、こっちのセカイの小学生くらい。 130センチくらいあるんだよ。 そして、二足歩行の黒猫なんだよ。 ボクは、あっちのセカイの子供たちと毎日楽しく 暮らしているんだ。 ホログラムと人工知能をあわせたものが、 ボク、クロイツさ! 今日は、ボクのご主人様に頼まれてきたんだ。 こっちのセカイで、おつかいをして欲しいって。 ホログラムじゃ、こっちのセカイにはこられないから、 猫の身体を別に作ってもらった。 こっちのセカイの猫と同じ身体だよ。 どうやってるのか知らないけど、この身体と、 人工知能は繋がっているんだ。 あっちのボクは、眠っているように見えている と思うんだ。 ボクの紹介はこんなところかな? さて、目的地は… こっちの身体は身が軽いね。 高いところでも、びゅんっ!と飛べる。 狭いところもへっちゃらだ。 どんなところでも、すいすい行けるよ。 傘浜市森ノ宮132の8、ここかな? 実はご主人様の実験で、こっちのセカイの子供を 半誘拐状態にしているんだ。 そのお詫びに、こっちのセカイの家族に、 渡したいものがあるそうなんだ。 ボクはその、メッセンジャーなんだ。 『山王琢磨 御影 真衣 恭司』 ここだ!キョウジの家だ! ボクを見てもわからないだろうな。 ちょっとさびしいけど、仕方がないよ。 ボクは考えていることはヒトと同じだけど、 今のボクは話せないから。 「ニャーン」としか言えないんだ。 今は朝の8時。 日曜日だったっけ? 「あ!かわいー!!」 女の人だ。 キョウジのお姉さんかな? 「キョウちゃーん、ちょっとおいでー!」 キョウジ、くるのかな? 「なーに、おねえちゃん」 キョウジの声だ! ボクはキョウジが見えてすぐに、 キョウジにビュンッ!と飛びついた!! 「あー、びっくりした!」 キョウジを驚かせちゃった。 ついつい嬉しくて。 あ、キョウジが変な顔してる。 バレちゃったかな? 「おねえちゃん、この猫、見覚えあるんだけど」 「そうなの?どこで?」 「たぶん、あっちのセカイのクロイツ」
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