ここどこ?

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ここどこ?

ボクは立ち止まった。 ここからは、ちょっと特殊なんだ。 「ここって、市役所?」 ボクは、地下の階段を降りた。 ふたりもついてくる。 扉の前に立った。 ボクは、 「ニャーン!」 と鳴いた。 扉が開いた。 「やあ!クロイツ、おかえり」 警備の佐川さんだ。 「男の子がキョウジ君だね。 そちらはお姉さんかな?えと…」 「真衣です」 「うん!真衣さんだね、入って」 ボクはふたりを引き連れて、 ご主人様のところに向かったんだ。 「今のって、クロイツが鳴いたから 開いたような気がしたけど」 「たぶんそうなんじゃない、だろ、クロイツ」 「ニャーン!」 「そうみたい」 「ふふふ…」 扉の前に着いた。 「ニャーン!」 「おう!クロイツ、入っていいぞ!」 ご主人様だ! 秘書の桜井さんが扉を開けてくれた。 「よくいらっしゃいました、どうぞ」 ふたりは、応接セットの長いすに案内された。 「今日はこんなところまですまなかったね、 私はこういうものだ」 ご主人様は、ふたりに名刺を渡した。 「えー!BPCの社長さん!!」 お姉さんが叫んだ。 「はい、そういう職についています」 ご主人様は続けて言った。 「実は、キョウジ君についてお話したいことがあって、 来ていただいたんだよ」 ご主人様はボクが知っている限りのこと、 全部話しちゃった。 キョウジは驚かなかったけど、お姉さんは驚いてた。 お姉さんはキョウジに聞いた。 「キョウジは、今のままでいいの? 不自由なんじゃないの?」 「毎日が楽しいから、ボクは全然かまわないんだ!」 お姉さんは、電話機を出した。 スマートフォンのようだ。 「社長さん、うちの親に電話してもいいでしょうか?」 「はい、是非お願いします。できれば、親御さんにも ぜひ来ていただきたいのですけれども」 お姉さんは電話をかけた。 事情を話しているようだ。 お姉さんは電話を切って、ご主人様に言った。 「親は、話を聞いて了承しました。 こちらにくるそうですけど」 「そうですか!桜井君、ご両親のお出迎え、頼むよ!」 「はい、かしこまりました」 「社長さん、両親の顔、わかるんですか?」 「ああ、調査済みだよ、よく知っている」 お姉さんは、驚いたようだった。
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