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~情熱編~
プロローグ
9月9日午前7:30分
山田「何がどうなってるんや…ここは一体どこなんやぁ…にしても太陽の日差しがジリジリするわぁ…」
普通の高校生、山田直幸は先ほど目覚ましを止め寝ぼけまなこのままベットから体を起こした。そして眼前の光景に目を疑った。
山田「砂漠……?」
下を見れば砂漠、見渡してみても砂漠、何かないか探しても砂漠、砂漠、砂漠…。
可笑しい…こんな事が現実で起こるはずがない…少なからず朝起きたら突然砂漠の真ん中に立っていた、なんてどう考えてもありえない、非現実的だ…
山田「ハハハどうせ夢か何かだろ…逆にそうでなくっちゃ困るな」不安から山田は自然と独り言をこぼした。
9月9日午前9:14分
砂漠をどれほど歩いただろうか、そろそろ街が見えてきてもいいんじゃないかとイライラと不安を感じつつ砂漠を 進んでいた。
山田「もし仮にここが別の世界とかだったらモンスターとか出てきそうだな」極限状態の疲れから脳が麻痺していたのか自分の言った独り言に笑ってしまった。そうこうしていると何かが目の前に見えた。
山田はそのシェルエットに見覚えがあった、しかしその何かは図鑑でしか見たことが無かった。大型のトカゲに似た真紅の鱗を体に纏い、鳥とは明らかに桁が違う大きな羽と地獄の業火に匹敵する火炎を放ち見るもの全てを恐怖の底に陥れる眼を持つもの…ドラゴンだ。
山田「嘘だろ…なんでこんな砂漠にドラゴンがいるんだよ…そもそもドラゴンなんて空想の世界の話だろ…」
ゴアァァァァアアアアアアッ!!!!
鼓膜をつんざくようなドラゴンの咆哮は、地獄へのファンファーレに聞こえた。俺は死ぬ。このドラゴンに食べられて死ぬのだと。
山田は悟った、死ぬのが惜しいが悪くない人生だったなと。そして瞳を閉じた。
その刹那―
グルギャァアァアァアァ!!
先程と比べると明らかに情けない、まるで断末魔のような苦しむ叫び声をドラゴンが上げているではないか。山田は恐る恐る目を開けた。
ドラゴンが殺られているではないか…
チャキン…刀か何かが鞘に収められた音がした。そしてそこには今まで見たこともないような美しい女性が立っていた…。
プロローグ~終~
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