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この間、全員が二人組になって依頼を受けた。
今度は、自分よりも高ランクの依頼の見学をする事になった。
僕のランクはAという事になってる。
で、友人はBが多い。
なので、僕は例外にAランクの依頼の見学となった。
仲間と一緒に。
さて。どうなる事やら。
そう思っていたんだけどなあ。
今、僕達はギルドに居る。
一緒に居るのは、バーンとジェムとシリル。
二人は、僕が渡した魔道具がすごく役に立ったって言ってた。
僕に返すって言ってくれたんだけど、一々面倒だから卒業するまで貸す事にした。
卒業すれば、きっと僕と同じ部隊で働く事になるのかもしれないなって思う。
僕達は一緒に、同じギルドの部屋で待機してる。
僕達の指導をしてくれる筈の魔法使いがまだ到着していないんだって言われた。
約束の時間はとっくに過ぎてるよね?
なのに来ていないってどういう事なんだろ。
他の生徒達は次々に揃って出発して行く。
「どうなってんだろうな・・・」
小さく呟くようにジェムが言った。
「だよな・・・・・・約束の時間はとっくに過ぎてるぜ?」
「指導員が来なきゃ私達は出発出来ないものね。今回は私達よりも上のランクの依頼なんだし」
首を傾げるのはバーンで、不貞腐れた様子で言うのはシリル。
僕はその様子を溜息をついて見つめる。
僕が指導役として連れて行く事もまあ、可能では有るんだけどね。
フリーダムなら、確実に可能だけどそういう訳にはいかないしな。
そんな事を思ってると、いきなりドアが勢いよく開いて男の人が入って来た。
「いやあ~遅くなった~悪い悪い。昨日、飲み過ぎちまってよう~寝過ごしちまった。ウップ」
そう言って口元を抑える男の様子に眉を寄せる僕達は悪くないと思う。
「大丈夫なの~?そんな様子で?」
思わずシリルが言うと嬉しそうに男は言った。
「おお~べっぴんさんがいるじゃんかあ~。えっと、シリルちゃんかあ~俺と大人のお付き合いしない~?」
資料を見ながら言う男に、シリルは嫌そうに思いっきり顔を顰めて言った。
「はあ?何言ってんだよ!あんたは私達を指導する役目で此処に居るんじゃねえのか?」
そう怒鳴るシリルに、ヘラヘラと笑いながら男は言った。
「へへへへ・・・・まあ良いじゃん~。同じするなら楽しまなきゃね~。やっぱ、女の子が居ると良いよな~。野郎ばっかりだとヤル気にならねえもんなあ~」
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