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「母さん。あのメモなんだよ。
仏壇にあったやつは、じいちゃんじゃないのかよ。」
祖父に文句を言ってから、すぐに母に電話をかけた。
母は含み笑いでそのうち分かるわよ。おじいちゃんの遺産だからと言った。
遺産は脱税した純金バーと現金だけじゃないのかと問いただしても決して答えず、そのうち分かるとだけ繰り返し切られてしまった。
あんな何だか分からないものを遺産だと言われてもと独り言を言いそうになって閃く。
あ。
もしかしてあの中に何か埋まっているのかもしれない。純金バーや宝石?
そう言えば金のバーはあれくらいの重さだった気がする。
何だ、そういうことか。急に浮かんだ答えに膝を打った。
じいちゃん。やるな。
思いついた結論に納得して何だか笑えてきた。
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