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今のところありがたいことに金はそのままでクローゼットの箱に納まっている。
貸金庫の鍵はどこのものか調べず一緒に箱に入れてある。
お金に困っているわけではないので調べるのが面倒くさいというのが本音だ。
現金はなんだかんだで50万ほど使い込んだ。見栄えのいい腕時計に変わり左腕に巻きつく。
腕時計以外は何に消えたのかよく分からない。
そこからは減らさぬように一応の努力をして、何とか生活力を養った。
祖父の1周忌に母と再婚相手がシンガポールより帰国する。祖父の希望で遺骨は1年仏壇に置かれたままだった。
遺骨の保管をすることが祖父の残した家で一人暮らしをする条件だった。
遺骨を仏壇に置いておくだけで、家賃のいらない家を独り占めできるなんて断る理由がなかった。
固定資産税くらいは家賃代わりに払えるのだが、家屋敷は母が相続したのでそれも放免された。
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