第14話

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「じゃあ、こっちに」 「あ。あの、神崎さん」 身体を回すも、彼女に背中を向けた瞬間に呼び止められ、振り向く。 「なに?」 「神崎さんの婚約者……って、江茉さん。ですよね?」 先程遮った言葉を繰り返す飯山さんは、首を傾げて俺を見上げていた。 そういえば雛森が部長の奥さんに襲われた時、彼女達の前で、雛森が『婚約者』だと宣言していた。 固く口止めをしていたので訂正も補足もせず今日まできたが、週末の夜の件で疑問が湧いてきたんだろう。 が、 「飯山さんは何も知らない方がいいよ」 あまり余計な詮索はされたくない。
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