第14話

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「……」 ラジオから聞こえてくる一方的な会話がやけに耳障りで、それを止め、車のエンジン音だけを耳に入れた。 赤信号にイラつき 短い渋滞にイラつき 鳴らない携帯にイラつく。 「……」 こんなことにイラついたってどうにもならないのに。 軽く溜め息を吐き、気を紛らわせた。 声を聞くだけでも 文字を見るだけでも安心できるのに。 何故今、それができないんだろう。 胸騒ぎのままで終わってくれればいい。 そう願って、彼からの連絡を待った。
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