第14話

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眉間に寄せた皺を更に深くし、車のシートに身体を埋めて考えた。 『いってらっしゃい』 「……」 ふと頭に浮かんだ、今朝の彼女のセリフ。 あの時はただ『珍しい』と思っただけだった。 会社で外に出る時に気まぐれで言ってくれるだけで、プライベートではせがんでも言わないような言葉を彼女自ら口にした。 驚いたけど、素直に嬉しくて、甘やかしたくなった。 だから、夜にも会える理由を作って食事に誘った。 違和感だらけの彼女だったのに、何故それに気がつかなかったのか。
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