第14話

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『神崎さん、江茉さんなんですけど』 池永クリニックの駐車場。 携帯から聞こえる、声を潜めた飯山さんの言葉に表情を固めた。 「出勤してない?」 『はい。何回か連絡してるんですけど繋がらなくて。神崎さん、何か聞いてますか?』 心配そうな声。神妙な面持ちで話す彼女の様子が容易に想像できた。 彼女個人の携帯から俺に直接かけてきたということは、あまり大事にはしない方がいい。と判断してのことだろう。 「何か……聞いた訳じゃないけど」 最近の雛森を思い出し、言葉を濁した。
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