第14話

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……罪作りな奴。 壁の向こうにいるボサボサ頭でシワシワスーツの男にチラリと目をやると、軽く溜め息を吐き、飯山さんの頭頂部に視線を落とした。 「昼休みに雛森の様子見てきます」 急に話を変えると、恥ずかしさの為か、いつの間にか俯いていた飯山さんは、俺の言葉にパッと顔を上げて「え」と声を出す。 「今日、雛森のフォロー頼めますか。池永先生から依頼されたことがあるので、メーカーに連絡取って欲しいんですけど」 「えっと、はい。分かりました」 「内容は今から説明します。俺はあともう一件午前中のうちに回らないといけない所があるので、分からないことがあったらすぐに連絡してください」 「分かりました」 コクコクと頷く飯山さんに指示を出し、 ここを出る為に足を一歩後ろに踏み出した。
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