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朝、心羽は先に起き支度を始める。
テーブルにはグラノーラとフルーツ。これは心羽が1人で住んでいた時からの朝ごはんだ。
大虎はと言うとそれまで朝は殆ど何も口にしない状態だったのだが、心羽のおかげでフルーツをつまむようになり、今日もまた、心羽は大虎の分をオシャレなガラス製の皿に盛り、自分の分と一緒に置いた。
その時、少々控え目な音量でなった、チャイム。
心羽がはーいと返事をすると玄関のドアが開く音がした。
「トラちゃん、ココっち、おはよー」
「あ、テルちゃんおはよう」
入ってきたのはライトで、リビングとの間の所へ寄り掛かるようにした。
「……って、えぇっ!トラちゃんまだ裸!!そして寝ぐせ!!」
「……あぁ」
窓の外を眺めていた大虎の格好は上半身裸に下はスーツで、しかしベルトはまだされていない。
ライトが頭を抱えていると、心羽が洗面所から歩いて来た。
「大虎?そろそろ時間……って、うわっ!!まだ裸!!」
「……そうか、心羽はそこに居たのか」
「えぇー!?寝ぼけてる!!」
心羽とライトの声が重なった。
大虎は半分まだ眠そうな目をゆっくり瞬きしながら洗面所へと消えて行く。
心羽はその後ろ姿を見送るとライトに苦笑を洩らした。
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