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「んー、」
「…………、」
差し出されるジッポからは音を立てて火が上がる。
それに無言でタバコに火をつけると大きく息を吐いた。
「完全に、無意識だ」
自分の行動に眉を寄せる大虎に、ライトは嬉しそうに笑みを漏らす。
今までならここで無言を貫いていたのだが、彼女と出会ってから大分変ったと思う。
「ふあぁぁぁ、」
ライトはあくびをすると目尻の涙をぬぐい、大虎を見る。
「……なんだ」
「んー?トラちゃんいいなぁーって思ってー」
「あぁ?」
「だってさー、朝からココっちの美味しいコーヒー飲んできたんでしょー?」
ソレがどうしたと怪訝そうに目を細める大虎へ、ライトは眠たそうな目を半分に、じとっと見つめた。
「俺も朝からココっちのコーヒーで目覚めたいっ!そしたらきっと、俺の仕事の効率、もう少しあがるかもしんない!」
ダダをこねるように長い脚を投げ出すライトへ、大虎は呆れたようにため息を吐く。
「なら、朝、ここで心羽に淹れていってもらうか?」
「えっ!?マジで!!?うんうん!朝のココっち欲しい!」
「おい。心羽はやらねぇよ」
「うわっ、わかってるってば!」
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