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「あ、そうか。しーちゃんは、もっとおしゃれなところが良かったのか?」 「違います。そういうことじゃなくて!」 「なら、何?」 「こんなに無理です!」 「普通に一人10着ぐらいはいるだろ」 「だから、そんなにお金が…」 「あほか。何の心配してるんだ。そんなもん俺が出す」 「それが困るんです!」 「ハア……厚かましく生きろって言っただろーが」 「間借りまでするのに、そこまで甘えられません!」 「俺は独り身で金が貯まるばかりだ。俺の金だからどう使ってもいいだろ?金を使って、日本経済を回さないと」 「何の話してるんですか?ヒコさん、話をそらさないで!」 高額だと絶対に彼女が抵抗を示すと思って、わざわざ手ごろな価格の店に連れてきたというのに……全く。 目くじら立てるしーちゃんに溜息ついていると、渚がとことこと戻ってきた。
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