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「二人とも待った待った!最後まで話を聞いてほしい」
やっぱりな反応に思わず苦笑いが零すと、堀と梅さんが伺うように視線を交わし、すっと姿勢を正して俺を真正面で見据えた。
「しーちゃんの摂食障害は、拒食症とか過食症とかとはちょっと違ってて……自分の作ったものを自分で食べれない」
案の定、堀が「はあ?」と首をかしげて、「いやいや、一緒に夕飯食べたじゃないですか」と反論してきた。
「あれ、自分が作った分は食べてないんだ。俺が作っていたものだけ食べてた」
「そりゃ、なんでなんだい」
「わかりません」
梅さんの問いかけに正直に即答すると、梅さんも「はあ?」と首を傾げた。
「だから、協力してほしいんです。彼女がなぜ自分自身で作ったものを受け付けないのか、その手がかりを掴みたいんです」
「……荒木さん、あんた、職場にそんな個人的事情を持ち込もうってゆうのかい」
「そうですね」
「ハア……こりゃ呆れたね」
梅さんは、腕組みをしドンと椅子の背もたれに体重を預けた。
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