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差し出されたのは、真っ白な封筒。 『荒木雅彦 様』と、ど真ん中に書かれている。 「お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします」 封筒を受け取ると、頬を赤らめ、堀がペコリと頭を下げた。 「とうとう、お前らも結婚かぁ」 招待状を眺めてしみじみ呟くと、堀は小さく「はい…」と答えて、更に恥ずかしそうに縮こまる。 「おいおい。お前、招待状渡すだけでそんだけ照れてたら、本番大変だぞ。結婚式なんて、幸せボケを見せびらかすためにやるようなもんだろ」 「幸せボケって…」 「だって、人前で愛誓って、チューして、ケーキ切って、お涙頂戴だぞ」 「うっ…」 結婚式を簡単に言い表せば、苦虫をつぶしたような顔になる堀。 「荒木課長…結婚式の現実を、やる前に突き付けちゃダメですよ…」 冷めた目で突っ込む城野。
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