11834人が本棚に入れています
本棚に追加
差し出されたのは、真っ白な封筒。
『荒木雅彦 様』と、ど真ん中に書かれている。
「お忙しいとは思いますが、よろしくお願いします」
封筒を受け取ると、頬を赤らめ、堀がペコリと頭を下げた。
「とうとう、お前らも結婚かぁ」
招待状を眺めてしみじみ呟くと、堀は小さく「はい…」と答えて、更に恥ずかしそうに縮こまる。
「おいおい。お前、招待状渡すだけでそんだけ照れてたら、本番大変だぞ。結婚式なんて、幸せボケを見せびらかすためにやるようなもんだろ」
「幸せボケって…」
「だって、人前で愛誓って、チューして、ケーキ切って、お涙頂戴だぞ」
「うっ…」
結婚式を簡単に言い表せば、苦虫をつぶしたような顔になる堀。
「荒木課長…結婚式の現実を、やる前に突き付けちゃダメですよ…」
冷めた目で突っ込む城野。
最初のコメントを投稿しよう!