プロローグ

2/2
前へ
/273ページ
次へ
禁じられた想いだった。 何度も、何度も、自分を戒めて。 一瞬だけ過った邪な願い。 皮肉にも、それが叶えられてしまった。 何で、あんなことを願ったんだろう。 どうして、神様は助けてくれなかったんだろう。 何故、私に天罰を下さなかったんだろう。 私の傍らには、遺された宝物。 それをギュッと抱きしめて。 自らの生を呪う。 ごめんなさい。 一生かけて守るから。 唯一遺された、この穢れなき宝物を。 そのためだったら、どんなことでもする。 たとえ地獄へと堕ちようと。 だって、私には幸せになる資格なんて無い。 これが、悪魔に魂を売ってしまった私の贖罪。
/273ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11834人が本棚に入れています
本棚に追加