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「ほれ、これも買え。渚、これもだ」 「ヒコさん、これもいい?」 「ああ、入れろ、入れろ」 「ちょっ、ちょっ!ま、待って!」 ポイポイと品物をカートに放り込んでいると、そこにしーちゃんが覆いかぶさった。 「何してるんだ。買い物できないじゃないか」 「こんなにいりません!」 「いるだろ。全部燃えちまったんだから」 「そ、そうですけど!こんなにはっ」 「まだまだ足りないだろ。取り急ぎ渚が学校で使う文具と、二人の着るもんは必要最低限買わないと。おい、渚、まだ必要なものあれば持ってこい」 「はーい」 「ちょっと、渚!」 ファストファッション店で着るものを見繕っていた。 二人のサイズを聞いて、とりあえずスタンダードなものを選んでいたんだが。 新しいものを買うというだけでテンションが上がっている渚は、意気揚々と店内を物色しに行ったというのに、もう一方は……へそを曲げている。
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