プロローグ

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「まさかお主…妾達のことを知らないのか?」 ドラゴンが驚いたように言う。 「あ、当たり前じゃないか! ドラゴンなんて初めて見たし…」 「そ、そうなのか。まさか……お主、この世界の名前は知っておるか?」 「え?この世界の名前……?知らない……?っ!」 なぜだかは知らないが、思い出そうとすると頭痛がした。 全くわからない。そもそも私は。 …誰なのだろう…? 「まことか…それは…辛いじゃろう……お主、名前は?」 名前… 「アネモネ…」 なぜか自分の名前だけは頭で考える間もなく言えた。 「アネモネ…か。ちょうどそろそろ咲く、花の名じゃな。良い名じゃ」 「…お前、私がここにいる理由は知ってる?それからここはどこ?お前は誰?」 「まあ、まずは順を追って話そう。それから、妾は「お前」じゃなくシオンという。覚えておけい」 そう言うと、シオンと名乗るドラゴンは話始めた。
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