10人が本棚に入れています
本棚に追加
/169ページ
「まさかお主…妾達のことを知らないのか?」
ドラゴンが驚いたように言う。
「あ、当たり前じゃないか!
ドラゴンなんて初めて見たし…」
「そ、そうなのか。まさか……お主、この世界の名前は知っておるか?」
「え?この世界の名前……?知らない……?っ!」
なぜだかは知らないが、思い出そうとすると頭痛がした。
全くわからない。そもそも私は。
…誰なのだろう…?
「まことか…それは…辛いじゃろう……お主、名前は?」
名前…
「アネモネ…」
なぜか自分の名前だけは頭で考える間もなく言えた。
「アネモネ…か。ちょうどそろそろ咲く、花の名じゃな。良い名じゃ」
「…お前、私がここにいる理由は知ってる?それからここはどこ?お前は誰?」
「まあ、まずは順を追って話そう。それから、妾は「お前」じゃなくシオンという。覚えておけい」
そう言うと、シオンと名乗るドラゴンは話始めた。
最初のコメントを投稿しよう!