第1章

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そっと病室に入ると彼女が弱々しくベットに寝かされていた。その横に看護師さんがいた。 彼女は僕に向かって 「光。また迷惑かけちゃってごめんね。」 と悲しげに呟く。 そんな彼女に、気にするなと言いながら頭をなでる。 「すみません。旦那様少し奥様の事で相談があります。」 と看護師さんに伝えられて僕は妻を残して病室を後にした。 静かな個室に移動すると看護師さんが医者を呼んできた。 「こんにちわ。少し奥様の事について相談があります。」 こんにちわと医者に、返しソワソワとした気持ちを、落ち着かせる。 すごく、嫌な予感がした。 「今奥様は2人の新しい生命をお腹に宿してます。それはご存知ですね?」 「はい。」 それは、もちろん知っていた。彼女はこんな身体が弱い私でも2人の子供を、授かることができたんだと喜んでいたのだから。もちろん僕もほんとに嬉しかった。 「出産にはものすごく体力を消耗します。奥様はお身体が弱く1人の子供ならまだしも、2人の子供を出産するとなると、奥様のお身体がもちません」
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