1人が本棚に入れています
本棚に追加
「え?」
いろんな感情が溢れ出して声にならない。
だって彼女はものすごく嬉しがっていたのに、ものすごく楽しみにしていたのに。
なんでこんなことになるのだ。
でも、そうえば、前の手術代につぎ込んだ1億円がまだ残ってたはずだ。
「お金ならいくらでも用意します。だから彼女と二つの命助けてあげられませんか?」
僕は医者にすがりついた。
必死だった。
どうしても彼女と二つの命を助けたかった。
目からこぼれる涙が止まらない。いろんな感情が入り混じっていた。
悲しみ。絶望。悔しさ。苛立ち。
「奥様にこの話を伝えたところ、奥様は真っ先に私の命より子供の命を優先してくださいとおっしゃっていました」
あぁ。彼女らしい。
「もう一度奥様と2人でゆっくりお話ししてご決断ください」
そう言われ、僕はまぶたの腫れが引くのをまって彼女に会いにいった。
最初のコメントを投稿しよう!