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叶わない、
と自分を誤魔化して諦めようとした。
けど、
無理だった。
だから、
諦めるのは諦めた。
好きでいよう。
勝手に好きでいればいい。
そう決めると、
気持ちも落ち着いていたはず。
しかし、
やはり気持ちに動かされてここへ来てしまった。
窓の外を見ながら、
はぁっとため息をつく。
行き場のない思い。
ドアが開く音がして人が入って来る。
「ユズル」
名前を呼ばれた声に驚き、
びくっとした。
マナトが戻ったのだと思い気を抜いていた。
振り返ることができない。
「ユズル?」
肩をそっと掴まれる。
仕方なく振り返る。
「あぁ、
悪い。
ぼーっとして…」
振り返ったところに、
タカヤ顔。
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