第1章

2/6
前へ
/6ページ
次へ
「1億円だと!?戦艦が建造出来る金額ではないか!!」 昭和11年3月 私は赤坂の料亭にて艦政本部長である百武源吾中将と密会した。 そこで、海軍に1億円の寄付をする話を持ち掛けた。 艦政本部とは海軍の造船や技術研究を行う官庁のこと。 百武中将が驚くのも無理がない金額・・・1億円 海軍予算が5億円なのに1億の寄与など考えられる金額ではなかったからだ。 ちなみに国家予算は22億円 百武「何を考えている?」 私 「廃案となった電波探信儀の開発費として・・・」   私はテーブル上のジョニーウォーカーを手に取ってグラスに注いだ。 私 「このジョニーウォーカーは英海軍で愛飲されているもの。」 百武「それくらい知っている。」   そして一口含み、満足そうな顔をした。 百武「この【黒】がチャーチルの好みであることもな。」 私 「閣下が、英米通で安心しました。」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加