同棲

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「なんだよ。 」 「なんでもない。 」 「変なやつだな。 」 帰り途、 傘をさして歩く。 傘を叩く雨の音は徐々に強くなっている。 「雨、 ひどくなってきたな。 」 ユズルが言う。 「急いだ方がいいね。 」 歩く速度を速める。 傘をさしていても、 足下はもう膝まで濡れている。 スーパーまでは歩いて15分の距離。 荷物があるので走る訳にもいかず、 家に戻ったころには腕も肩もびしょびしょだった。 「あー、 参ったな。 」 部屋に入るなりユズルが言う。 「ほんと、 出る時は大したことなかったのに。 」 「ったく、 着替えねえと。 」 ユズルがタオルを投げて寄こす。 着替えると言って服を脱ぎ始めたユズルを後ろから抱き締める。
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