第三章 目覚め

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「ジェト、ジェト、おきて、おきてって」  自分の体を揺さぶる感触がする。聞こえるのは少女の声、少し高めの、おっとりとしたような雰囲気をまとった声だ。  目を覚ます前に、自分の脳内を整理する。まず、自分はジェト・ムスタであり、高野恭平。そして今自分を揺さぶっているのは、自分の記憶に間違いがなければ自分と幼馴染のノペア。今自分達が寝泊りしているのはギルド【ピメイス】。幼少時、孤児院を脱走した自分とノペアを拾ってくれたギルド。 「わかってるよノペア……いまおきるからまって……」  まるではじめから自分はこの記憶を持っていたかのように、違和感なく高野恭平としての記憶とジェト・ムスタとしての記憶を想起することができる。オーディンのいっていたように、確かに自分とジェトの根源は一致したいたようだ。  益体のないことを考えながら体を起こす。目を開けると、自分が横たわっているベッドの横に少女が座っていた。ノペアだ。身長は目測160cm前後。体重やスリーサイズなどの詳細はしらないが、いわゆる貧乳といわれる部類に属する胸ではあるだろう。 「……ジェトから、なんだかとってもいやらしい視線を感じるんだけど……」  
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