第三章 目覚め

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「気のせいだろ」  今自分は彼女のことを客観的に観察していただけだし。 「それで……今何時?」 「大体7時半ぐらいかな。朝食は準備されているから、いつもの場所に早くきってねー」    そう言い出すとノペアは一足先に駆け出していった。腰まで伸ばしている長い緑色の髪を頭頂に近いところで一部を二つに分けている。 いわゆるツーサイドアップという髪型だ。そのせいなのか、今丁度目の前で起きているようにドアの枠にあるささくれに髪を結んでいるリボンが引っかかって解けることがあるのだ。  いつものことなので、自分はノペアのリボンを拾い上げながらゆっくりといつも食事を取っているところに向かいがてら、念のためにジェトがどれぐらいこの世界の事をしっているかの確認を行っていた。  いま自分達がいるのはタリナで最大の国、メスタリ帝国。大きさ、武力、経済力共に周りの小国を寄せ付けない規模を誇っている。いま自分達がいるギルド、ピメイスは規模としてはあまり大きくはない。まあ闇ギルドなので致し方ない部分があるのだが。  ここピメイスは地下に本拠を持ち、所属している物はそれぞれピメイスにつながる地下通路がある家に住んでいる。ギルドメンバーが少ないからこそできる芸当であり、この形態が効をそうしているのか、今のところ摘発されたことは一度もない。
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