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体の芯に響く重い振動と共に箱が止まる。
「いつまでたってもこの感覚はなれない……」
ぼやきながら箱の外にでると、見慣れた光景が広がっていた。部屋の中央には長机が四つ。北にはカウンターがあり、西には今自分がたっている箱の出入り口。最終的にはここで合流するので入り口は一つだけで十分なのだ。南にはクエストカウンターがあり、東にはクエストボードが置いてある。証明は裸電球だが、魔力によって明るさをある程度調節できるためそこまで暗くはない。
ふとカウンターをみるとノペアが先に食事を始めていた。そしてノペアの隣には黒い服に白い髪をした女性の姿があった。
「マスターがここにいるだなんて珍しいですね。なにがあったんですか?」
この女性はピメイスのギルドマスター、プリン。こちらは偽名だそうだが、本名は誰もしらない。
「ねえノペア聞いた? この子ったら私がギルドメンバーと親交を深めることに対して文句をつけてきたわよ」
「だれもそこまではいってないじゃないですか……」
このギルドマスター、儚い見た目とは裏腹に非常に独特なキャラをしている。かつてこの見た目にだまされた男性が何人いるのかそうぞうもしたくない。
「うわー、ジェトさいってー」
そして性質が悪いのが、ノペアとプリンはなぜか俺をもてあそぶことに関しては恐ろしいコンビネーションを発揮する、ということだ。
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