希望紳士カスタム

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◆  階段をゆっくり降りた泰貴は、その足で両親のいるリビングに向かった。  滅多に顔を見せない息子が突然現れ、泰貴の父と母は目を丸くした。 「どうした泰貴?」 「お腹すいちゃった?」  すると泰貴は、何も言わず頭を下げた。  そしてハッキリとした口調で告げた。 「父上、母上。今までご心配をおかけして申し訳ありませんでした」  返事を待たず、顔を上げる泰貴。 「俺、これから真面目に頑張ります。明日からちゃんと職を探し、一生懸命働きます」  その決意に満ちた凛々しい息子の顔を見て、泰貴の両親の目にうっすらと光る物が見える。 「そう……。しっかりね、泰貴」 「辛い事があったら一人で抱え込まず遠慮しないで言うんだぞ。何たってお前は、父さんと母さんの、大事なひとり息子だからな……!」
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