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「―もうすぐ、終わり
が来てしまいますね」
それは少女の声か。
「―ふむ。寂しいかね?」
ぎしり、と金属のきしむ音と
ぼふん、と煙の排出される音。
それに続く低い男の応えに、
「―まさか」
少女は彼を一顧だにする
事もなく続ける。
「ですが―そうですね。こうして至ったこの終焉に思うことがないと言ったら嘘になります」
「ふむ。では如何するのかね?」
何をするのかと問う彼に、
彼女は―
「あの迷い人さん達を見ぶ…いえ、観察でしょうか」
指を口元に当てながら答える。
「終わるとなるとやる事なんて
なくなる訳ですし、暇つぶしに」
「…ほどほどにな」
声に呆れをにじませつつ、
手元の本に意識を向け始めた
少女に彼は最後の言葉をかけた。
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