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「ん」
右手をガイドさんが差し出します。迷子にするように。わたしはもう子供じゃありません。無視して歩きます。
「澪音ちゃん?」
知りません。振り向かずに
そのまま歩きます。
「澪音ちゃん!!」
ガイドさんが後ろからさっきより大きな声でわたしを呼びますが無視です。
「ああもう!!危ないって!!」
首がしまる感覚の直後、わたしの目の前を茶色い何かが飛んで行きました。
それは変な生き物でした。
それを見た時わたしは「何コレ」と呟いていました。
「ハギスって言う害獣だね。
体当たりして来るだけだけど回転しながらドーンするからちょっと危ない。私が止めなかったら頭に当たって怪我してたよ?」
ハギスは体当たりを避けられてボールのように跳ねていました。
そこでわたしはハギスの見た目に引いていました。
茶色いと思っていた身体は透明っぽく、中身が透けていたからそう見えていたようです。ソーセージみたいな体ににょろっとした足が三本。目はなく口は食虫植物のように裂けています。あの茶色は食べられた獲物の色とかなんでしょうか。
「さてここで澪音ちゃんに質問」
え?いやいや、ハギスが目の前にいるのに質問ですか?
「これからコレよりヤバい奴とも沢山遭遇すると思う」
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