24人が本棚に入れています
本棚に追加
わたしは―
無言でガイドさんの前に立ち、腰元に差した剣を両手で構える事で返事にしました。
「ん、そっか」
ガイドさんはわたしの選択に頷いて横に並びました。
「で、倒すの?追い払うだけ?」
「生き物が死ぬのにも慣れてない女子高生に戦うだの殺すだのが選べると思わないで下さい!泣きますよ!?追い払う事が出来れば御の字なんです!怪我しないように頑張るしかないじゃないですかぁ!!」
一息で言い切ってハギスを見たまま動けません。剣なんて振れません。やった事もありません。目から涙が出て鼻がツンとして止まりません。
あ、ハギスが―体当たりを―
ハギスの体当たりはわたしの剣を手元から弾きました。
ガイドさんはいつの間にか周りから姿が見えません。
ガイドさんを探して周りを見ている内にハギスはまたくるくると回りながらわたしに向かって跳んでいました。
あ、これ間に合わな―
最初のコメントを投稿しよう!