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「―ぃぃぃやぁぁあああっ!!!」
その時悲鳴を上げながらわたしはハギスを殴り飛ばしていました。
打ち上げるように殴られたハギスはボールのように跳ねて落ちました。
―あれ?動かない?なんで?
その時ぱちぱちと拍手の音。
「剣飛ばされた時はどうなる事かと思ったけど素手でハギスを殴り飛ばすとは、うん、予想外?」
ガイドさんが飛ばされていった私の剣を持って立ってました。
「何も出来ないようならハギスは私が退治して助けるつもりだったけど…いや、あの拳は凄かったよ?」
そこまで聞いた時わたしは。
初めての異世界での勝利だとか感慨とか喜びとかガイドさんへの怒りだとかも全くなくて。ただただ、怖かった。何事もなくて良かったと、恥も外聞もなくわたしは泣き叫んだ。
「え!?あ、助けなくてごめんね!?もう大丈夫だから!危険な事あったらすぐ助けに入るから、えっとえっと、って、手を怪我してる!?さっきハギス殴った時の!?ちょ、ちょっと待って包帯で手当てするから―」
その後わたしが落ち着くまで
30分程かかる事になる―
- next to the scenes -
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