はじまり (正也)※R-18

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「なんで、 感じてるくせに」  耳元で、 海が低く囁く。  なんなんだ、 こいつ。  海にいいようにされて足の力が抜ける。  ガクンと、 膝を着く。  海の息が耳に掛る。  海が後ろから覆いかぶさってくる。  床に膝を着き、 そのまま背中の海の重さで、 床に手を付く。    なんて格好してんだ、 俺。  いやだ。 こんな。 「ふざけんな、 離せ」  俺を仰向かせて、 馬乗りになった海を睨む。 「いやだね」  海が負けじと睨み返してくる。  逃げようともがくが、 俺よりはるかに体格のいい海に馬乗りになられては逃げられない。  海は、 俺の両手を自分のしていたベルトで縛り上げる。
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