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四十九日の法要が終わり、母、佳代(かよ)がため息をつきながら言った。
片付けないといけないよね。
麻美はなんのことだろうと一瞬思ったが、すぐに祖父の家のことだと気づく。
父、康(やすし)と兄、晃一(こういち)が目を見合わせる。
兄嫁、真衣(まい)が心配そうにその様子を見守っていた。
母は一人娘だ。
祖母は五年前に亡くなった。
祖父のモノはすべて母が引き継ぐか処分しなければならない。
そんな訳で初秋の風を感じる休日、麻美達家族5人は祖父の家に向かった。
麻美達の住む街から海岸線を一時間程走り、山に向かって左折する。
それから15分ほどで、山あいの田畑が広がる地域に祖父の家はある。
田んぼや畑はどうするのかな?
毎年届いていたお米、時々食卓に上るお野菜。
一人で黙々と土を耕す祖父の背中が目に浮かぶ。
もう祖父には会えないことが胸に迫る。
それは皆が同じ気持ちなのだろう。
祖父の家の前に止めた車から、5人は静かに降り立った。
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