実行

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実行

今までは女どもにはあまり見せなかったオレの顔、 泣きそうになるが無理に笑顔を作る顔。 鏡の前で練習したさ。 叔父はあの世で呆れていたかもな。 女はツボにはまると抜け出しにくいからな。 しかし、やりすぎも禁物だ。 この微妙なやり取りも重要だ。 大した顔じゃないが、同情できる話でもあれば、 それに金もあれば、文句はないのだろう。 オレの売り上げはどんどん伸びた。 しかしバイトのままでいさせてもらった。 やはり芸人の仕事を続けたかった。 オレが好んで踏み込んだ道だ。 もう、反対するものはいないからな。 あれから半年が過ぎたが、叔父の残した金は手付かずだ。 そろそろ痺れを切らしてきた女たちが、 駆け込んでくるはずだ。 ここが引き時かな。 欲を出すと、元も子もないからな。 バイトを辞めることにした。
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