再会

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返事があってもなかってもいいか、そんな気持ちだった。 しかし、返事はすぐに返ってきた。 『第2週と第4週の土曜が休みです。子供たちも学校だし、予定はどうですか?』 カレンダーをみる。 第2週の土曜は明後日だった。 すぐにメールを送る。 オッケーの返事で、わかりやすいであろう場所を指定した。 ただし、バイクで行くから、ズボン指定で。 カレンダーに早速、予定を書き込んだ。 なんか、心が浮き立つ。 こんな気持ちは久しぶりだ。 いや、長いこと忘れていた。 それから、その日が来るまで長かった。 毎日、何回時計を見たか、明日なのになかなか進まない。 イライラするので、何件か職安の仕事の募集に応募した。 朝、地に足がつかない感じ。 自分に中学生かと突っ込む。 何回も髭の確認をし、家を出る前に 『今から家を出る』と、メールを送った。 待ち合わせの駅の下、コンビニで待つ。 ホントに来てくれるのだろうか。 彼女のことがわかるだろうか… そんなことは杞憂で終わった。 コンビニに入ってきた彼女は少し大人びて、でも、昔の面影を残したままだった。 「マナフィ?」 声をかけると、 満面の笑顔で 「日沖さん!懐かしい!」 と答えてくれた。 早く、彼女と話したくて、でも、久しぶりで、綺麗になった彼女に照れて、 「バイクはそこに止めてある。とりあえず、昼ごはんでも。」 たったそれだけのことを言うのに声が上ずる。 彼女もなぜか照れて、赤くなりながら、 小声で、はい、と答える。 あー変わらないな、とホッとする。
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