再会

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「バイク乗ったことある?」 彼女は首を横に振る。 彼女にヘルメットをかぶせながら、 「バイクの後ろをしっかり持ったらいいから… 怖かったら…俺にしがみついてもいい。」 少し躊躇しながら言うと はいと答えて、持ち位置を探していた。 この辺って持ち方を教えて持たすと、緊張しているのがわかる。 俺は笑いながら、 「ゆっくり走らすから」 と言って、バイクを動かした。 信号で止まり、 「どう?」 「怖かったら、俺を掴んでたらいい。」 そう伝えると、遠慮がちに俺の服の裾を持った。 それがなんとも彼女らしく、でも、危なっかしいので 彼女の手を取り 「こう持ったらいい。」 そう言いながら、俺の腰に手を回させた。 彼女の緊張が伝わる。 俺の緊張も伝わるのだろうか… でも、バイクを走らすと、彼女の手がしっかりと俺の腰に捕まり、 体を預けてくる。 彼女を感じる。 しかし、ヤバイ。 ブレーキをかけるたび、彼女の体が当たる。 結構、胸あるな… もつか、俺。 なんとか、他のことを考えて意識を逸らす。 やっと、昔よく来た中華料理店に着いた。 「ここ…」 「懐かしいだろ?ここの定食の量」 彼女は笑顔で頷く。 「入ろう」 そう言って、彼女の手を引く。
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