再会

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パソコンを立ち上げると何件かのメール。 高校の同級生。 結婚式以来だから、もう何十年? 飲み会メンバー声かけるからとのこと。 酒の肴だなと苦笑する。 特に用事もないし、というか、暇だ。 メールを順に確認すると、 マナフィの名前があった。 開けてみると、 『もしかして、係長? お久しぶりです。 私は今、京都にいます。 係長は名古屋じゃないのですか? 今は、会計事務所で働いています。 よかったらメールください。』 あの頃の彼女の顔を思い出す。 なぜか、鮮明に思い出せた。 俺の苗字を呼ぶ柔らかな声。 はにかんだ笑顔、すぐに照れて赤くなるところ。 俺が、一方的に喋って彼女は聞き役。でも、落ち着けた。 そんな女は初めてで。 そして、あの泣き顔。 なぜ、泣いたのか… あれが、最後。 もう一度、逢いたくなった。 でも、彼女は旦那がいるらしい。 子供も。 悪いかと思いつつ、断られた時は仕方ないと開き直りで 『いろいろあって、大阪に戻ってきた。時間が合えば、会わないか?』 少しドキドキして、送信ボタンをクリックする。
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