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 顔を引き攣らせながらもなんとかジーンに笑いかけると、初日以来見ていなかったやさしい微笑みを向けられトクンと胸が高鳴る。 「それがお前の可愛いところだ」 「かかか、可愛い!?」  可愛いなどと言うなんてやっぱり変だ。これまで一度だってそんなこと。そもそもジーンには、やれ可愛いげがないだのお前は子どもっぽいだのと貶すようなことしか言われたことがない。  それが今可愛いと言った。しかも愛でるような甘い顔つきで。 「何をそんなに驚くことがある。俺だってお前のことを可愛いと思うときだってある。ああそうだ。今日増田は親戚の者が亡くなったとかで遠方に見舞いに行っているから今日は帰れないそうだ」 「えっ、そうなのか?じゃあ今日はバートと三人か……」 「バートも仕事で遅くなるから帰りは何時になるかわからない」
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